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2026.02.22

インプラスの換気框付き窓を内窓リフォームで暖かくしたいのに、「換気口を塞いでも大丈夫か」「24時間換気や結露はどうなるか」が曖昧なまま工事に進むと、数年後にカビや体調不良でやり直しになるリスクがあります。寒さ対策だけを優先して換気口をDIYでふさいだり、内窓換気框や段窓換気部材をよく分からないまま選ぶのは、マンションでも戸建てでも見えない損失が大きい判断です。実際には、インプラスの段窓換気部材や内窓ブレス、プラマードUの換気框対応を正しく組み合わせれば、換気機能を維持したまま断熱・防音・結露対策を両立させることは可能です。ただし、既存サッシの歪みや施工条件、24時間換気の計画、部屋の用途を見ずにカタログや価格表だけで選ぶと失敗します。この記事では、サッシ換気框の仕組みとデメリット、「換気口が寒い」問題を安易に塞がずに処理する方法、インプラスの段窓換気部材と他社内窓との違い、北側洋室・在宅ワーク部屋・浴室といった場所別の最適解、さらにプロが現場で必ず確認する換気チェックリストと失敗事例まで具体的に整理しました。読み終える頃には、自分の住まいでインプラスの換気框をどう扱えばいいかを、自信を持って判断できる状態になっているはずです。
CONTENTS
窓を二重にしても、なぜか足元がスースーする。暖房を強くしても北側の部屋だけ底冷えが残る。そんなとき、実は一番疑うべきなのがサッシに組み込まれた換気框です。
断熱ガラスや樹脂枠で性能を上げても、換気の通り道だけが“常に外とつながったまま”になっていると、体感温度は一気に下がります。そのまま放置すると、次のような悪循環に入りやすくなります。
暖房を強くする → 電気代・ガス代が増える
壁際の温度差が大きい → 結露とカビが出やすくなる
寒さがつらくて換気口を塞ぐ → 今度は空気がこもり、ニオイやカビが悪化
私の視点で言いますと、実際の現場で「内窓は正しく付いているのに、換気框の扱いだけ間違っていて失敗」というケースが少なくありません。
換気框は、サッシ上部に付いている細長い“空気の通り道”です。窓を閉めたままでも、外気を少しずつ室内に取り込めるように作られています。24時間換気と組み合わせると、給気口としての役割を持ちます。
ポイントをざっくり整理すると次の通りです。
| 項目 | 役割 | 体感への影響 |
|---|---|---|
| 開口部 | 外と室内を細いルートでつなぐ | すき間風とは違うが、冷気の入口になる |
| 開閉レバー | 空気量を手動調整する | 実際は「開けっ放し」が多い |
| 内窓追加時 | 段窓換気部材などで経路確保が必要 | 工事前に要チェック |
サッシメーカーのカタログでは断面図だけで説明されがちですが、生活者の感覚に直すと「常に1cm弱の窓を細く開けている」のに近いイメージです。北側の寝室やマンション高層階では、このわずかな開口が“体感の寒さ”に直結します。
換気框は、上手に使えば味方、扱いを間違えると敵になります。メリットとデメリットを、現場目線で整理します。
メリット
窓を開けずに換気できるので、防犯面で安心
雨の日やマンションの強風時でも24時間換気と連動しやすい
給気ルートが安定するので、浴室やトイレの換気扇がよく回る
デメリット・注意点
北側・角部屋・高層階では、冷気がダイレクトに入りやすい
道路側では、騒音や排気ガスのニオイが入りやすくなる
網やフィルターにホコリがたまり、換気量が落ちても気づきにくい
虫返し部材が傷んでいると、小さな虫が侵入しやすい
インプラスを設置すると、ガラスとサッシの断熱性能は大きく上がります。そのぶん、換気框まわりの“弱点”が目立ちやすくなり、「前より寒さが気になる」と感じるケースが出てきます。ここをどう処理するかが、内窓リフォーム成功の分かれ目です。
最後に、実際の相談から多いパターンをまとめます。
開けっ放しで起きがちなこと
北側洋室の床付近だけ極端に温度が低く、子どもが布団を蹴ると風邪をひきやすい
在宅ワーク部屋で、道路騒音やバイク音が止まらず、内窓の防音効果を実感できない
浴室の入口付近がいつまでも冷たく、ヒートショックが不安で高齢の家族が長湯できない
閉めっぱなしで起きがちなこと
マンションの寝室で、窓周りと家具裏だけカビが増える
ペットやタバコのニオイが抜けにくく、24時間換気を入れてもムッとした空気が残る
給気が不足して、浴室やトイレの換気扇から「ゴーッ」という異音が出る
これらは、DIYでカバーを付けたりテープで塞いだりする前に、換気計画全体を一度整理すれば避けられるトラブルです。次のステップでは、窓の換気口をどこまで閉めて良いのか、24時間換気との関係を掘り下げていきます。寒さ・結露・健康リスクを一度に片付けるための“攻め方”を、順番に見ていきましょう。
「この換気口さえ無ければ、部屋はもっと暖かいのに…」と思ったことがあれば、ここが分かれ道です。暖かさを取るか、空気を取るかではなく、両方を成り立たせる設計に切り替える発想が必要になります。
マンションの北側洋室で多いのが、給気口やサッシの換気框をテープやDIYカバーで完全に塞いでしまうケースです。私の視点で言いますと、このパターンの数年後に「壁一面のカビ」「子どもの咳が増えた」という相談が一気に増えます。
よくある変化を整理すると次の通りです。
| 状態 | 最初の変化 | 数年後に起こりやすいこと |
|---|---|---|
| 完全に塞ぐ | 暖かく静かになる | 結露・カビ・においのこもり |
| 少しだけ開ける | まだ寒いがマシ | 結露は減るが寒さが残る |
| 正しく使う | 最適なバランス | 空気の質と断熱の両立 |
ポイントは、24時間換気は「出口」だけでなく「入口」があって初めて計画通りに動く仕組みということです。換気口を塞ぐと、浴室やトイレの換気扇が「空回り」してしまい、カビやホコリを室内にとどめる結果になりやすくなります。
難しい法律用語は脇に置くとして、押さえるべきポイントは3つです。
2003年以降の多くの住宅は、「常に空気を入れ替える仕組み」が前提で設計されている
設計段階で「この部屋に○m³/hの空気を入れて、ここから出す」という計画が決められている
窓の換気口や換気框は、その計画上の“入口”として計算に入っている商品
つまり、換気口を塞ぐ行為は、家の「設計図を勝手に書き換える」のと同じ意味を持ちます。インプラスや他社の内窓でガラスを高性能に変えても、空気の通り道を壊してしまえば、リフォームの効果が半減する構図になります。
寒さを我慢しろという話ではありません。現場で結果が出やすいのは、次のような組み合わせ作戦です。
時間帯でコントロールする
一番冷え込む深夜〜早朝は換気口を絞り、日中は少し多めに開ける。タイマー付きの換気扇があれば、在宅時間に合わせて強弱をつけます。
部屋ごとに役割分担を決める
寝室は少し多めに給気を確保し、廊下側やあまり使わない部屋の換気量を抑えるなど、家全体でバランスを取ります。
内窓と換気部材をセットで考える
インプラスの段窓換気部材や内窓ブレス、窓の換気口後付け商品を組み合わせると、「ガラス面の断熱は最大限」「換気経路は細くても維持」という設計が可能です。
一時的なカバーは“完全密閉しない”前提で選ぶ
市販カバーやDIYの板を使う場合も、上下数mmはすき間を残す、素材を通気性のあるものにするなど、空気の逃げ道を残す工夫が重要です。
リフォームでインプラスを検討しているなら、「どこで空気を入れて、どこから出すか」を先に決めてから商品やグレードを選ぶと失敗が激減します。暖かさと24時間換気は、どちらかを諦めるテーマではなく、設計と運用で同時に手なずけていくテーマだと捉えてみてください。
寒さも結露も騒音も抑えたいのに、換気まで犠牲にしたくない。このワガママを叶えられるかどうかは、どの換気対応タイプを選ぶかでほぼ決まります。ここを間違えると「高い内窓リフォームをしたのに、カビと結露が悪化した」という残念コースに直行します。
段窓換気部材は、既存サッシの換気框を生かしたまま内側に樹脂の枠とガラスを足すための専用換気部材です。ざっくり言うと、既存の給気ルートを「段差構造でバイパス」してあげるイメージです。
仕組みを整理すると次の通りです。
既存の換気框位置に合わせて専用の換気部材を組み込む
内窓を閉めても、換気口から入った空気が段差を通って室内へ抜ける
アルミだけだった部分に樹脂が増えるので、冷え込みと結露がかなりマイルドになる
一方で、現場では下記のような判断も必要です。
サッシが歪んでいると、換気部材の当たりが悪くなり気密も換気も中途半端
有効開口が小さい換気口だと、そもそも換気量が足りていないケースがある
mm単位で納まりを見ないと、レール干渉や網戸との取り合いトラブルが出る
私の視点で言いますと、見積もり時にここを現場で測らずに、カタログだけで「付きますよ」と答える業者はかなり危険ゾーンです。
よく比較されるのが、内窓ブレスタイプとプラマードUの換気付きタイプです。違いをコンパクトに整理します。
| 項目 | インプラス 段窓換気部材 | 内窓ブレスタイプ | プラマードU 換気対応 |
|---|---|---|---|
| 換気の考え方 | 既存換気框を活かす | 内窓自体に給気スリット | 既存換気框に合わせた専用枠 |
| 向くケース | 24時間換気必須のマンション | 換気口が無い部屋の簡易給気 | 既存サッシがYKK系の住宅 |
| デメリット | サッシ精度に強く影響 | 防音性能はやや落ちる | 既存サッシの状態に左右される |
| DIYのしやすさ | 低い | 中 | 低い |
ポイントは、「どの商品が良いか」ではなく「自分の家の換気計画にどれが合うか」です。
防音最優先なら、内窓ブレスよりも換気口の運用見直し+高気密タイプの組み合わせを検討
マンションで24時間換気が義務の物件は、段窓換気部材かプラマードUの換気対応で既存換気口を殺さないことが大前提
DIYで後付けした換気口との相性は商品によって大きく変わるので、mm寸法と位置を必ず確認
最後に、現場で「これは換気框対応がドンピシャ」という窓と、「あえて使わないほうがいい」パターンを整理します。
向いているケース
マンションの北側洋室や寝室で、壁付け換気口+サッシ換気框が24時間換気のメインになっている
結露跡やカビ跡がすでにあり、換気を弱めると一気に悪化しそうな部屋
補助金を使って断熱リフォームをしつつ、将来売却時の法的リスクも避けたい持ち家
避けたいケース
浴室で既に天井換気扇がしっかり働いており、サッシの換気口がほぼ使われていない
幹線道路沿いで騒音と排気ガスが厳しく、換気よりまず防音と気密を優先したい書斎
サッシの動きが悪く、換気框が動かないレベルで枠が歪んでいる古いアルミ窓
このような窓では、無理に換気框対応にこだわるより、ガラス性能アップやサッシ交換、換気扇リフォームとの組み合わせを検討したほうが、結果的にコスパも快適性も高くなります。内窓リフォームは商品選びより「換気の逃げ道の設計」が肝心だと覚えておくと、失敗がぐっと減ります。
場所ごとに「正解」が変わるのが内窓リフォームの怖いところです。サッシの換気部材をどう扱うかを間違えると、せっかくの投資が数年後のカビと結露に化けます。
| 場所 | 優先順位 | 換気の考え方の目安 |
|---|---|---|
| 北側洋室・寝室 | 結露・健康・静けさ | 常時弱めに換気を確保しつつ冷気カット |
| 在宅ワーク部屋 | 防音・集中・空気の質 | 時間帯で換気量を切り替える運用が鍵 |
| 浴室 | カビ・ヒートショック防止 | 機械換気優先、窓は補助的に使う |
北側の洋室や寝室は、外気温が低く、家族の水蒸気がこもる場所です。ここで換気口をDIYで塞いでしまうと、数年後に「家具の裏一面カビ」というパターンが現場では本当に多く見られます。
対策の基本は次の3点です。
内窓でガラス面の温度を上げる
換気経路は細く長く残す
24時間換気の弱運転を止めない
すでにサッシに換気框が付いている場合は、段窓タイプの換気部材を組み合わせ、既存の給気ルートを生かしたまま内窓を付けるのが王道です。既存枠の歪みが大きく、段窓タイプが入らないときは、別室の換気やレンジフードとの連動を含めて、家全体でどこから外気を入れるかを決め直す必要があります。
ふかし枠の寸法も要注意です。カーテンレールや窓台からの出幅をmm単位で読み違えると、せっかくの内窓が開けづらくなり換気の運用そのものが面倒になってしまいます。
在宅ワークの部屋は「静けさ」と「頭がぼんやりしない空気」の両立がテーマです。通りに面したマンションでは、防音ガラスを選びつつ換気框をどう扱うかが勝負どころになります。
私の視点で言いますと、在宅ワーク部屋は時間帯で換気量を切り替える前提で窓を設計するのがポイントです。
日中のオンライン会議中
→ 換気框は最小限、24時間換気とキッチン換気扇で静かに空気を回す
仕事前後の30分
→ 室内ドアと窓を大きく開けて、一気に空気を入れ替える
この運用を支えるために、内窓側は気密性重視で、既存サッシ側の換気框を生かすか、別位置に窓用の換気部材を後付けするケースもあります。浴室やトイレの機械換気と合わせて風の流れを作ると、頭痛やだるさが減ったと感じる方が多いです。
浴室は暖かさが最優先に見えますが、実は機械換気を止めないことが安全面でいちばん重要です。ここで外壁側の換気口を塞いでしまうと、カビだけでなく、隣接する脱衣室や北側の部屋まで湿気が回りやすくなります。
浴室に内窓を付けるときは、次の順番で考えると失敗しにくくなります。
ガラスは透明よりも型板や樹脂板を選ぶことが多いですが、断熱性を上げたい場合はLow-Eタイプも候補に入ります。浴室用のカタログでは価格表に出てこない納まり条件があり、タイル面からサッシまでの奥行きが足りないと、ふかし枠の追加工事が必要になることもあります。
費用がかさむように見えても、リフォーム補助金の対象になるケースもありますので、価格だけであきらめず、工事費とランニングコストの両方を比較することが大切です。
カタログと価格表だけで判断すると、暖かさも換気も「あとから後悔コース」に入りやすくなります。私の視点で言いますと、現場での失敗の7割は商品選びよりも、換気まわりの読み違いが原因です。
冊子やWEBカタログで分かるのは、サイズやガラスの種類、色、定価の一覧までです。ただ、換気框や段窓換気部材が本当に使えるかは、次のような条件を現場で確認しないと判断できません。
| チェック項目 | 現場でよくあるNG例 | 影響 |
|---|---|---|
| 既存サッシの歪み | 上枠がmm単位で下がっている | 段窓換気部材がスムーズに動かない |
| 換気口の位置 | 枠のど真ん中に給気口がある | 内窓の障子と干渉して開閉不能 |
| 浴室・北側の結露跡 | 枠が黒カビで傷んでいる | 内窓だけ変えてもカビが再発 |
| 24時間換気の有無 | 壁換気と窓換気が混在 | どこを残すかの設計が必要 |
カタログは「付く前提」で書かれていますが、現場では「付けない方が安全」なケースもあるため、プロは必ずここを見ています。
定価や工事費の数字だけを比較すると、高く見えることがあります。ただ、冷暖房費やカビ対策まで含めると、見るべきポイントはかなり変わります。
価格より先に確認したいこと
「高い」の判断が危険になるパターン
「今の見積金額」と「10年分の光熱費と健康リスク」を天秤にかける感覚が大切です。
for Renovationは既存枠に合わせやすく、色やグレードも豊富で魅力的です。ただ、シリーズ選びより前に、換気計画とどう噛み合うかを決めておかないと失敗しやすくなります。
先に決めるべき「換気の設計」
for Renovationと相性が悪くなる例
シリーズの価格差は数万円でも、換気設計を誤ったときの「結露・カビ・体調不良」のコストは桁が違います。カタログのグレード比較より前に、「どこから空気を入れて、どこから出す家にするか」を一度紙に書き出して整理してみてください。そこが固まれば、どの内窓商品を選ぶかは自然と絞れてきます。
インプラスを入れる前に何を確認するかで、その後10年の「暖かさ」「結露」「カビ」がほぼ決まります。ガラスの種類やサイズmmだけ見て見積りするやり方は、現場のプロから見るとかなり危うい判断です。
私の視点で言いますと、まず見るのは「今どこから空気が出入りしているか」と「過去にどこでトラブルが出たか」です。チェックポイントを整理します。
換気設備
カビ跡・結露履歴
よくあるのが、「最近は結露していないから大丈夫」と思ったら、実は換気口を閉めっぱなしで、湿気が壁内に逃げているケースです。リフォーム前に必ず、冬の状況を家族に質問してから判断します。
段窓タイプの換気部材を使うかどうかは、「紙の上のカタログ」よりも「既存サッシのコンディション」で決まります。現場では次の点を細かく見ます。
| チェック項目 | 合格ラインの目安 | NGの例 |
|---|---|---|
| 框の反り・ねじれ | 目視でゆがみがほぼない | 片側だけスキマが大きい |
| 可動部分の動き | スムーズに開閉できる | 引っかかり・異音 |
| ビス固定部 | しっかりかかる下地がある | アルミが痩せている |
| ガラス溝の寸法 | メーカー指定mmに近い | ばらつきが大きい |
ここでつまずくと、カタログ上は取り付け可能な換気部材でも、実際には気密が取れず「すきま風だけ増えた」という残念な結果になりがちです。その場合は、他社の内窓ブレスやプラマードUとの比較も含めて、別ルートの換気方法を組み立てます。
「マンションの換気口が寒いから百均のカバーで塞ぎたい」「DIYでスポンジを貼ったらかなり暖かくなった」という相談は非常に多いです。ただ、その前に最低限押さえたいポイントがあります。
その部屋が24時間換気の「主な給気ルート」になっていないか
他に開けている換気口や常時少し開けている窓があるか
結露やカビが出やすい家族の生活パターン(在宅時間・洗濯物の室内干し)
これを整理すると、「完全に塞ぐのは危険」「時間帯で開け閉めする」「インプラスで断熱しても換気口だけは活かす」といった現実的な落としどころが見えてきます。場合によっては、窓のガラス交換と内窓リフォームを組み合わせ、補助金も活用しながら、換気口を残したまま寒さを抑える設計のほうがトータルの手残りが良くなることもあります。
DIYの前に一度、このチェックリストを片手に「どこまでならいじっていいか」を整理しておくと、後からのやり直し工事や余計な費用をグッと減らせます。
「北側の洋室が寒いから、とにかく換気口と換気框は全部塞いでください」
マンションでよく出るこの一言から、トラブルが静かに始まります。
施工当初は、たしかに部屋は少し暖かくなります。ところが2〜3年後に出てくるのが、窓まわりと家具裏のベタベタした結露と黒いカビです。換気経路を絶ったことで、24時間換気が設計どおりに回らなくなり、人の呼気や生活湿気が部屋にこもり続けるからです。
典型的な流れを整理すると次の通りです。
冬の冷え対策で換気口カバーやテープで完全に封鎖
内窓は通常仕様で取り付け、段窓換気部材は未使用
数年後、北側のクロスはがれとカビ臭で初めて異変に気づく
このパターンでは、インプラス自体は悪くありません。問題は「逃げ場を奪われた湿気」が一番弱いところ、つまり北側の壁とサッシに集中攻撃してしまった点です。
断熱や防音の観点ではベストな内窓を選んでいるのに、換気の視点が抜けて失敗するケースも多いです。私の視点で言いますと、現場でよく見るのは次の3パターンです。
マンションで給気口付きサッシに通常の内窓をそのままかぶせる
段窓換気部材や内窓ブレスを検討せず、見積もりが安い案だけで決める
浴室や脱衣室にインプラスを付けるのに、換気扇能力や使用時間を見直さない
次の表のように、「選び方は正しいのに、前提を確認していない」だけで、結果が真逆になります。
| 状況 | インプラス選定 | 換気の扱い | 数年後の結果 |
|---|---|---|---|
| 北側洋室 | 遮熱Low-Eで正解 | 換気口をDIYで塞ぐ | 結露とカビでクロス貼替 |
| 在宅ワーク部屋 | 防音重視で正解 | 換気計画の見直し無し | 頭痛やだるさで窓開け生活に逆戻り |
| 浴室 | 浴室用仕様で正解 | 換気扇弱く運転時間も短い | カビ減らず「意味がない」と不満 |
どのケースも、段窓換気部材や換気ブレスのように「内窓を付けても空気の通り道を確保する工夫」を最初に検討していれば避けられた内容です。
断熱と防音と換気を一度に求められる場面では、プロは次の順番で考えます。この順番を真似すると、無茶なDIYや後悔リフォームをかなり減らせます。
健康と法規を満たす最低ラインを決める
24時間換気の給気経路を必ず1つは残す、浴室は換気扇能力を優先、マンション規約で塞いではいけない給気口を確認する、というステップです。
「逃がし方」を決めてから内窓の仕様を選ぶ
段窓換気部材を使うのか、プラマードUの換気框対応を選ぶのか、内窓ブレスを組み合わせるのかを先に決め、その前提でガラス仕様や色、グレードを詰めます。
最後に、寒さと音のストレスが強い部屋から順に投資する
北側洋室や寝室、在宅ワーク部屋、浴室の順で優先順位を付け、全窓一気にではなく、効果と予算のバランスを見ながら段階的にリフォームします。
ポイントは、「どれだけ暖かく静かでも、息苦しい家はアウト」という割り切りを最初に置くことです。そこさえブレなければ、インプラスもプラマードUも、換気框付きサッシも、すべて味方にできます。
「寒さも結露も何とかしたい。でも換気口をいじるのはちょっと怖い」
ここでの攻め方次第で、数十万円のリフォームが“神リフォーム”にも“失敗談”にも転びます。業者任せにせず、ユーザー側から主導権を握るコツをまとめます。
現場でよく感じるのは、「窓のタテヨコmmだけ測って帰る業者」と「換気やカビの履歴まで見る業者」で、その後のトラブル率がはっきり違うということです。
まずは見積もり時に、次の質問をぶつけてみてください。
この部屋の24時間換気や換気口は、どう計画に組み込みますか
段窓換気部材や内窓ブレスにした方が良いか、判断ポイントは何ですか
結露跡やカビ跡を見て、どんなリスクがあると思いますか
既存サッシの歪みがあった場合、どう対応しますか
回答の傾向は、次のように分かれます。
| 回答パターン | 業者タイプの目安 | 将来のリスク感 |
|---|---|---|
| 寸法と商品名の話だけ | 価格優先・換気軽視 | カビ・結露の追加工事が出やすい |
| 換気計画や運用まで説明 | 現場経験豊富 | 長期的に安定しやすい |
「窓以外にどこを見て判断しますか」と一言添えると、目線がすぐ分かります。
オンライン相談をうまく使うと、現地調査前から“ダメな方向”を避けられます。
私の視点で言いますと、最初にもらえる情報の質で、その後の提案精度がかなり変わります。
送ると効果的な写真は、次の5点です。
窓全体が写る写真(室内側・外側の両方)
窓上部の換気口や換気框のアップ
サッシの角部(歪みやすい部分)
壁やカーテンのカビ・黒ずみが分かる写真
間取りが分かる簡単な手書きメモの写真
合わせて、こんな質問を文章で添えてください。
北側洋室か南側か、普段どのくらい在室しているか
冬にどの辺が一番寒く感じるか(窓際・足元・壁際など)
結露が出る時期と場所(ガラス下部だけか、枠や壁までか)
マンションなら管理規約で窓・換気口工事の制限があるか
ここまで送ると、段窓換気部材が向くか、プラマードUの換気框タイプや別系統の換気強化が良いか、かなり具体的な方向性が固まりやすくなります。
神奈川や東京エリアで換気と内窓の相談をする場合、地域密着で窓リフォームを多く扱っている会社に声をかけるメリットは小さくありません。
地域密着の強みは、次の3つに集約されます。
| 強み | 内容 | 換気まわりへの効き方 |
|---|---|---|
| 地場の気候と建物事情に詳しい | 川沿い・海沿い・北側斜面などの結露傾向を体感で把握 | 「このエリアなら換気口をいじりすぎると危ない」が判断しやすい |
| 管理規約や自治体補助金の知識 | マンションごとのルールや補助金条件に慣れている | 換気口を塞がずに補助金対象の内窓を選びやすい |
| アフター前提で提案する | 将来のカビ・結露クレームを避けたいので慎重 | 換気を削る提案をしにくく、安全寄りのプランになりやすい |
価格表だけを比べると、ネット通販やDIYと差が目に入りやすいですが、換気や健康リスクを含めて“トータルの損得”で見ると、経験値の高い地域業者を味方につけた方が結果的に安く済むケースが少なくありません。
インプラスや浴室用カタログ、LIXILの価格表を眺めるだけでは見えない部分こそ、プロに突っ込んで質問してみてください。
「窓を暖かく静かにしながら、換気はどこで確保するのがこの家には安全ですか」と聞けるかどうかが、失敗しない近道になります。
著者 – 大信建設
インプラスの相談を受けると、「とにかく寒いから、この換気口は全部塞いで」と言われることが本当に多くあります。ところが、言われるままに工事した別業者の現場に数年後呼ばれてみると、窓まわり一帯がカビだらけで、壁の中まで結露が進んでいたり、24時間換気を止めたことで家族の体調不良が気になり始めていたりします。私たちは神奈川・東京で内窓やサッシ交換、浴室・内装工事を続ける中で、「暖かさだけを優先して換気框や給気口を軽く扱うと、住み心地が必ずどこかで破綻する」と何度も思い知らされてきました。カタログ上は同じインプラスでも、既存サッシの歪みや換気計画、部屋の使い方で最適な納まりは全く違います。本来は現地を細かく見て、換気框や段窓換気部材をどう組み合わせるかを一緒に考えるべきなのに、その前提の説明が十分にされないまま工事が進んでしまうケースを多く見てきました。この記事では、私たちが見積もりや現調のときに必ず確認しているポイントや、実際にトラブルになったパターンを踏まえ、「寒さと換気を両立させるために、どこを優先して判断すべきか」をできるだけ具体的にお伝えしています。業者任せにせず、ご自身でも納得してインプラスの換気框を選べる材料として役立てていただきたいという思いでまとめました。
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